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  • kokyoippan

撤廃できる理由を考えたい「6年雇い止め」で杉並区長要請

 昨年(2022年)10月、岸本聡子杉並区長に「6年雇い止め撤廃」を要請したことを受け、今年11月から始まる公募時期に向けた区の検討状況を聞くべく、7月27日に改めて杉並区長要請を行いました。

 今回の要請行動も、「なくそう!官製ワーキングプア集会実行委員会」で共闘している組合との共同行動として行いました。

公共一般からは齋藤誠一委員長、松崎真介書記長、N図書館ユニオン学校図書館分会長、青年一般支部(首都圏青年ユニオン)・学生ユニオンから2人。連帯労働者組合・杉並から6人が出席しました。

区側は区長、人事課長、教委庶務課長、教育人事企画課長と各課係長でした。



今年度の上限撤廃は厳しい 

 岸本区長から2024年度の6年雇い止めを巡る検討状況について、①今年の年限廃止は難しい、②廃止した場合の課題克服に向けて知恵を絞りたい、③廃止できない理由は定年制がないことが最大の課題、④継続して議論していきたい、と回答がありました。

 また区長は、「人を雇ったら長く働いてもらうことが原則と考えている」「とりあえず5年間だけ働いて、という考え方で雇用してはいけない」「制度が違うとはいえ、正規職員と同じような考え方で雇わなければいけない」「正職員と会計年度の割合が現在6対4だが、10年間で7対3にしていくという目標を立てたい」とも回答し、今後も改善に向けて検討していくことも表明しました。

 区長は問題意識として、「今公務員になりたいという人が減っており、公務の在り方を変えていかなければならない。杉並区がリーダーシップをとっていかなければならない。しかし一気に改善はできない。制度が非常に歪んでいることから、長期的な展望を持っていかなければならない」と、今後の中長期的な改善課題であることを示しました。


6年雇止めに固執する事務方

 区長の話を受け齋藤委員長は、「人生100年時代と言われているが、上限を撤廃しない理由に年齢や職員の高齢化を含めるのは疑問である。労働者としても90歳、100歳まで働き続けたいという思いなのかという問題もある。

 区は適正に欠ける職員でも6年は雇用保障をしていると言うが、適正を欠く職員には適切な対応をしないといけない。不適正な職員を雇い続けるのは、住民からすれば必要なサービスを維持できない状況ではないかと言われかねない。 

 応募がすぐに埋まる職種もあれば、保育の朝夕のような採用困難職種もある。採用困難職種は、実態として年齢の高い人にやってもらっている職であり、その人達に対し年齢を理由に6年で雇い止めにするのであれば朝夕(朝・夕のみのパート)の保育士はいなくなってしまいかねない。

地方公務員法には任用上限は定められていない。だから、総務省は上限を入れていない自治体に対し上限を入れるよう命令はできず、各自治体の運用でやっている。仮に上限撤廃ができなくても、今いる人については新規応募者と同じ公募というやり方ではなく、今までの経験を能力実証として再度任用し、それでも足りない人員が生じた場合は公募をかける方法に改善するべきではないか。そもそも6年の雇用保障というのは労働基準法に照らして違法ではないのか。必要な見直しを図ってほしい」と要請しました。

 N分会長からも「小学校の学校司書をしているが、勤務年数を重ねるたびに経験、知識が増やせる。一方、6年で『はい、さようなら』というやり方は、杉並区の教育に資するやり方なのか疑問がある。プライドを持って仕事をしている。能力低下や体が動けなくなれば自ら退職する判断をする。それなのに年齢を理由に6年雇い止めが維持されるというのは腹立たしいことだと感じている」と発言しました。


引き続き、改善に向けた検討を求めます

 今回の要請では「2023年度に6年雇い止め撤廃」決定は厳しい状況ですが、昨年末の総務省通達に基づく公募方法の改善や、上限撤廃の理由の検討など、11月の公募時期まで残された時間があることから、引き続き団体交渉で改善を求めていきます。

 首長が変われば、全てが自動的に改善される訳ではありません。

組織拡大と運動、共闘をいっそう強化していくことが要求実現の絶対条件です。

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